Marissa Lee
|2020年、韓国、日本、オーストラリアのファンドマネージャーはより多くの資金を調達。コロナ禍により、より広範な地域で大型ファンドへの資金集中トレンドが加速。
2020年、韓国、日本、オーストラリアのファンドマネージャーはより多くの資金を調達。コロナ禍により、より広範な地域で大型ファンドへの資金集中トレンドが加速。

アジア太平洋(APAC)地域全体のファンド募集活動について言えば、2020年はあまり良い年ではなかった。コロナ禍に直面し、LP投資家がコミットメント計画を見直さざるを得なくなったことで、プライベートエクイティ並びにベンチャーキャピタルファンドの調達総額は前年比40%も減少した。Preqinのデータによると、同地域のGPによる調達総額は2019年が計1,610億米ドル、2020年は計970億米ドルとなっている。とりわけ中国本土と香港が大きな打撃を受けた。これら2拠点のファンドマネジャーが確保した資金は、それぞれ前年比51%と64%減少している。
一方で、全ての国で募集活動が不振だったわけではない。韓国、日本、オーストラリアでは、世界的な傾向に反して、ファンドへの出資が増加した。Preqinのアジアリサーチ&データオペレーション部門の責任者であるEe Fai Kam氏は、「これらいずれの国においても、10億米ドル規模のファンドが1〜2本あったため、全体の数字が引き上げられた」と述べる。「韓国では、MBK Partnersが65億米ドルを調達した。これは韓国における同年調達総額の3分の1を占めている。また、日本では10億米ドルを超えるバイアウトファンドが2本募集完了し、オーストラリアでは17億米ドルのPacific Equity Partnersファンドがクローズした。」
中国、日本、韓国を投資対象地域とするMBK Partners Vは、アジアで3番目に大きなPEファンドとなった。このファンドによる貢献もあり、韓国は2016年以来初めて香港を抜き、APAC地域で2番目に大きな年間調達総額を記録することとなった。韓国を拠点とするファンドマネージャーは、2020年に計190億米ドルを調達している(前年比42%増加)。
MBK Partners の5号ファンドは、募集開始からわずか6ヶ月間でハードキャップの65億米ドルに達し、昨年5月にファイナルクローズを迎えた。多くの北米や韓国の年金基金が、同ファンドにいち早く出資を決めている。 MBK Partners はこれまで4本のファンドで18%の年率IRRを達成しており、彼らがパンデミックの中で安全性を求める多くのLP投資家から出資を獲得したことは驚くべきことではないだろう。
また、その他の国でも、大型ファンドへの資金集中トレンドがコロナ禍で加速したと言える。日本のファンドマネージャーは、2020年に計76億米ドル(前年比12.5%増加)を調達したが、ポラリス第五号ファンドとインテグラル4号ファンドの2本だけで、調達総額の3分の1を占める。それぞれ、ポラリス第五号ファンドは昨年11月に1,500億円(14億米ドル)で、インテグラル4号ファンドは12月に1,238億円(12億米ドル)で募集完了した。
加えて、オーストラリアを拠点とするファンドマネージャーは計42億米ドルを調達し、2019年(18億米ドル)の2倍以上のコミットメントを獲得した。これには、オーストラリアとニュージーランドでのバイアウト投資に特化したPacific Equity Partners Fund VIの貢献するところが大きい。同ファンドは昨年7月に目標金額の25億豪ドル(17億米ドル)で募集完了している。
Preqinのデータによると、APAC地域のプライベートエクイティ並びにベンチャーキャピタルファンドが2021年これまでに調達した総額の54%(129億米ドル)が、10億米ドル以上でクローズしたファンド8本により調達されたものであった。当分の間、こうした資金集中のトレンドが衰えることはないだろう。
本稿に含まれる意見や事実は、投資に関するアドバイスを提供するものではありません。投資やその他の決定を行う前に、専門家の助言を求めることをお勧めします。上記に関連して行われたいかなる決定について、Preqinは一切の責任を負いません。